Best Tour Japanese

唐の洛陽を元に造られた千年の都、京都へようこそ

京都において長年にわたり、通訳案内・山岳ガイドとして数々のお客様との出会いと、また損得を越えた心温まる友人関係を持てたことに心から感謝したいと思います。私の先祖にあたる曽祖父は、明治時代に京都の嵐電(四条大宮〜嵐山間)開発に携わった土建屋で、祖父は、大正の時代に京都市右京区で生まれ、当時高校・大学が一貫教育であった戦前、旧制第三高等学校(現在の京都大学校舎)在籍時から京都帝国大学への入学前に、学徒動員で戦争に派遣されました。飢えに苦しみ共食いをする軍隊の狂乱の中、自身も死を覚悟し、醤油を丸一本一気飲みし、救急搬送され、奇跡的に日本へと生還しました。その祖父が、鉄砲で打たれた、ふくらはぎの傷跡を孫に見せながら、大島の着物を身に纏い、私の幼少時代に悲惨な戦争の現実を聞かせてくれたことを今も覚えています。思えば明治・大正・昭和・平成・令和へと、京都で世代が現在へと引き継がれています。平和より尊いものは存在しないと改めて強く思います。

 

日本の敗戦後、旧制高校も、帝国大学という名称も、教育の要であった修身科目も全て廃止され、ダグラス・マッカーサー(Douglas MacArthur)の手の下、日本は新しく生まれ変わってゆきました。それから長い年月と共に日本は高度経済成長を遂げていき、GHQがつくった米国式の新しい教育改革制度の基に、現代の新しい日本が形造られてきました。そして、私達が漫画やジブリといった大衆文化と自然に溶け合っている内に、日本に興味を持っていく外国人が世界各国で増えてゆきました。サブカルチャーを主体に、密かに我々にとって当たり前のことが海外で人気になっていたのです。彼らは大人になり、日本に対して子供の頃から感じてきた親近感を併せ持っています。しかし多くの観光客は、有名な場所を見て十分だと感じる一方、ガイドを頼みたいという方は、通り一遍の有名な観光地以外の価値を求めておられます。弊社は、日本滞在期間における、忘れ難い最高の京都での自然体験をご提供するために創業しました。

 

旅の合間に生じる縁から様々な物語が生まれていきますが、この人に会えてよかったと思っていただけるガイドになれるようベストを尽くさせていただきます。旅行する方にとって、訪れた国にいる物知りで親切な友人のようにサポートし、お互いの故郷の歴史、考え方を話し合いましょう。京都のことは、全てお任せください。そして、思い出に残る旅行をさらに 何倍も心に残るものにできるよう、遠方にいる友人のように何でも気軽にお尋ねください。主役はお客様です。私たちは一人ひとりの旅のお手伝いを、京の洛東・洛西・洛南・洛北に限らない隠された関西の秘境の魅力を共有すべく、地元の人間として尽力させていただきます。

 

ガイドをお申込みのお客様へ

京都といえば、神社仏閣。神社は神道に由来し、お寺といえば仏教ですが、仏教には数種類の宗派があり、主に他力本願教か、自力本願教かで分けることができます。禅は、自力で物事を解決するという思想があり、全国各地で瞑想ができるお寺がたくさんあります。京都の寺院の中では、 拝観の際事前に予約が必要なところもあり、手配が必要です。また、座禅を組んで自分自身を見つめなおすことも 貴重な経験になることでしょう。ただ色々と見て回る以上の楽しみ方もあるのです。電車では なかなか行けない外れにある名店での食事も、旅を豊かにしてくれます。旅のプランをご提案させて 頂きますので、お気軽にご相談くださいませ。

 

国際都市に変貌を遂げつつある京都〜多様性と寛容さをモットーに〜

日本は、広島、長崎に原爆を落とされた唯一の被爆国です。 京都は、原爆投下のターゲットの1つでしたが、文化遺産を破壊し尽くしてはならないという米国の考えにより、京都の神社仏閣は命を留めたのです。戦前の日本から現在の経済大国になっていく中で、日本だけを考えて理解することは出来ません。日本の民主主義は、1945年の敗戦から米国主導のもと本格的に始まり、今の日本とアメリカの蜜月の関係もそのことを踏まえなければ理解できないのです。

 

今、京都がグローバル化していますが、過去の戦争1つとっても、インパール作戦、満州、シベリア抑留など、非常にグローバルなものでした。今の日本は、特攻で亡くなっていった神風と呼ばれた若者たちだけではなく、戦争で被害者になった西洋人、アジア各国の犠牲者という過去の上で成り立っています。つまり、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、旧ソビエト連邦(ロシア)、旧中華民国(中国)といった戦勝国だけではなく、日本を含む敗戦国のお互いが加害者でもあり、同時に被害者であったというのが、歴史の事実です。京都の中心にある高台寺の上の丘の大仏の観音像前では、現在の平和が、悲惨な歴史の上に造り上げられたことを忘れてはいけないと明記されています。

 

したがって、私たちはガイドの際には、ただ見て回るだけではなく、歴史に基づいた視点で説明をさせていただいており、実際にお客様も、そうだったんだ、知らなかったと関心を持たれる方が非常に多いです。特に外国のお客様は、事前に日本の個々の歴史を勉強されてから来られることが多いため、尚更の事です。

 

島国であるがゆえに、固有の文化を生み出し、世界的に評価されている一方で、また高い自殺率などの闇も多い日本。ようやく、街中でも外国人をみかけるようになった昨今が、国際化の第一歩だといっても過言ではないでしょう。国際という言葉の意味するところは、国は違っても、世界はひとつであり、人も文化的背景により何を喜ぶか悲しみとするかに違いはあれど、多様性を認める心さえあれば、人もまたひとつであるということに他なりません。外交のような駆け引きなど、個人レベルでの対話には、意味のないものです。歴史をひもどけば、人は争いを続けてきたけれども、互いを尊重し分かり合うこともまた可能だということを証明しています。また、今ほど世界的にそれが可能な時代もないと言えます。

 

弊社のお客様は、日本は勿論、世界中から欧米・アジア・南米・ヨーロッパ・アフリカの様々な宗教的バックグラウンドを持った方々です。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教・仏教・その他の宗教という違いはあっても、素晴らしい時間と関係を築けたことが、我々が存在する社会的意義だと日々感じております。けっして事前に用意することはできない、忘れられない心からの言葉をたくさん残していかれました。そのためには、教科書に載ってはいない歴史の事実を学び、自らが実践し、国際的な交流をひろげていくことです。そこには、感動と感謝の連鎖があり、文化の違いを越えて通じる、目には見えないがはっきりと感じ取れる何かがあるのです。

Copyright © Tour bench Kyoto. All Rights Reserved.
Since September 28th, 2011